No.38(宋と北方民族)  : 

遼と金の二重統治体制の違いとは何か?」

遼は根拠地のモンゴルでは北面官によって部族制で治め,五代の後晋から獲得し
た燕雲十六州では南面官によって州県制で治めた。金は根拠地の東北部は猛安・
謀克という軍事・行政制度により部族制で治め,南宋から取得した華北は州県制
で治めた。どちらも,漢民族(彼らにとっては異民族)に対して無理なく効率的
に支配するための二重統治であった。


<評価の観点>
関心・意欲・態度:
遼と金を典型とする「征服王朝」という国家の在り方に興味を持ち,意欲的に学
習に取り組んでいる。


思考・判断:

「征服王朝」の典型である,モンゴル系契丹族の遼とツングース系女真族の金の
比較を通して,両者の特色や意義について多角的に考察している。


資料活用の技能・表現:
契丹文字と女真文字と,両者が参考にした漢字を比較することによって,その
「近さ」を実感する。また「日本文字」としての仮名文字も,両者と同じ系統に
属するものである点に気がつく。


知識・理解:
二重統治体制の源流として大きな意義を持つ,遼と金の行政制度の仕組みに関す
る基本的な知識を身につけている。